解約防止はパブリッシャーにとって大きな課題ですが、効果的な施策を講じることで劇的な成果を上げることがあります。 Pianoストラテジー＆アナリティクス部門グローバルVPの Katelyn Belyusは、Piano Academy 2024でサブスクリプションベンチマーク2024の結果を発表した際に改めて「解約防止のオファーやダウングレードオファーを提供することで、最大で16%の会員を解約から救うことができる」と強調しています。適切なタイミングでのオファーによって解約を防ぎ、効果的な支払い戦略を活用すれば、失いかけた会員のリカバリーにつながります。こうした取り組みにより、リテンションとライフタイムバリューを向上させることができます。 

キーポイント：

• 解約のための意図的な行動（アクティブチャーン）：自動更新の無効化は有料会員にとって「解約」を行うための行動であるため、解約を留まらせるために、その瞬間に説得力のあるオファーを提示する必要があります。

• アクティブチャーン防止対策が効果的：ターゲットを絞った割引やダウングレードの選択肢を有料会員に提供することで、解約をしようとした会員の最大16%を引き留めることができます。

• メッセージ表示だけでは解約を防げない： 有料会員に会員特典やメリットを再確認させ、解約の理由を尋ねるだけでは解約防止には繋がりません。

• エラーによる自動解約は隠れたリスク（パッシブチャーン）：全体の解約のうち、約30%は意図的な解約ではなく、クレジットカードの有効期限切れなどによる決済エラーから生じています。

• パッシブチャーン防止施策の最適化で収益を改善：決済エラーが発生した際のパーソナライズされたメール配信、決済再試行のタイミング、最適なメールの件名、支払いの猶予期間を最適化することで、失いかけていた収益を効果的に再獲得することが可能になります。

• 解約防止には効果的な戦略が不可欠： 適切なタイミングでの特典オファーから、よりスムーズな請求方法まで、わずかな調整でも効果的なリテンション向上をもたらします。

Pianoが発表した2024年サブスクリプションパフォーマンス・ベンチマークレポートでは、以下のキーポイントを含むより深い説明がなされています。

• トラフィックは横ばい、しかし収益は増加：パブリッシャーは全体の訪問者数よりもライフタイムバリューやユーザーあたりの平均収益（ARPU）を重視しています。

• Googleは依然として主要な参照元：しかしトラフィックの質とコンバージョン率にはバラつきがあります。

• ソーシャルメディア・トラフィックの急激な減少：政治系サイトが最も影響を受けており、不安定なトラフィックソースであることを示しています。

• パブリッシャーは時代の変化に適応している：ソーシャルメディアからのトラフィック流入の大幅な減少、AIの台頭による影響と混乱、Googleの戦略の変化が課題の中、パブリッシャーは柔軟に適応しています。

• エンゲージメントとリテンション戦略が鍵：ライフタイムバリューの見直しや、効果的な支払い戦略に注力する事で、収益のさらなる向上に寄与します。